キャップス(Caps) クラウンバイスツールセット
これからフライフィッシングやフライのタイイングを始めてみようと思っている方へのおすすめツールセットです。私自身もタイイング入門にはこのセットからスタートしました。

このセットがあれば、含まれるツールでとりあえず一般的なタイイングはこなすことができます。

ただし、個々のツールは決して高級ではありませんが必要最低限なクオリティーと言えるでしょう。そうは言うものの、中にはこれで十分という品物もあり、かなりお得な価格設定とあいまって合理的な選択と思われます。

個々のツールでもう少しグレードアップしたい物があれば、タイング技術の上達に合わせてそのつど買い足せば良いのではないでしょうか。（いやむしろ腕が良い人は道具に依存することなくタイイングも上手いでしょう）

とにかくこのタイイングツールキットは低価格が売りです。タイイングを始めてみたものの、人によってはやはり手に負えないこともあるのではないでしょうか。または自分で巻けても実際には時間がないという場合もあるでしょう。ですから最初から高級品を手にするまでに、ご自身がタイイングを続けるかどうかを見極めるまでのお試し用と考えてはいかがですか。

以下に、このセットに含まれる個々のツールを細かく評価します。

１）バイス

伝統的なクリップ式のロータリーバイスです。強力なスプリングの力でフックをはさみ付ける形式になっており、フックをセットするのにちょっとした慣れが必要かもです。フックを固定するパーツ「ジョー」と言われる部分ですが、#20〜ミッジサイズのフックに使うにはちょっと太いかもです。

２）ウィップフィニッシャー

添付品はマタレリと同型です。私自身はこれで十分だと思っています。このウィップフィニッシュが素早く確実にできる頃には、タイイングがかなり上達しているかもです。（ナチュラムページにある参考画像ではマタレリタイプになっていません）

３）ハックルプライヤー

伝統的な基本形です。大小２種類がついています。ハックルをはさむ部分がちょっと滑りやすいかも知れません。細いビニールチューブをかぶせて滑り止めにするなどの方法を取れば実用性があがります。

４）ボドキン／ダビングツイスター

シンプルで真鍮製の柄です。柄の後端には穴があってハーフヒッチャーを兼ねています。なかなか良いアイディアで、専用のハーフヒッチャーが不要になるほど。

５）ヘアスタッカー

エルクヘアなどを普通に揃えるにはこの添付品で十分だと思います。

６）シザース（はさみ）

なんとか使用に耐えますが、最初に買い替えるならこれかも知れません。

７）ボビンホルダー

糸を出す部分が真鍮パイプ製。なんとか使用できますが、#8以下の細い糸が使用する頻度が高いなら、他にセラミックパイプ製の物を購入する方が吉でしょう。

フライタイイング上達のヒケツ

タイイングのノウハウの半分くらいは「マテリアル」の選び方にあるように思えます。こればかりは経験値が必要と思えます。タイイングそのものは最近ではきれいな動画がネット上に沢山アップされているので独習は可能と思えます。

マテリアルの選び方として最重要なのが、天然素材系の物。特にハックルやCDCは目的のフライを巻くのに適しているかどうか、経験がかなりものを言います。はっきり言って、ツールはこのセットで十分かも知れませんよ。